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オール怪談・52【居待月】 

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画像はマンチュウ様提供(『漫画図書館青虫』にて撮影)
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昭和39年5月発刊

「これは武士道に恥じることかもしれぬ・・・しかし・・・幸せうすい娘が永い間待ちつくした幸せのためなら・・・あえて邪剣もふるうのだ・・・」
待ちに待った娘の喜びの日、居待ちの月の霧月の中にふるった剣は何をまねいたか・・・



太平の世、武士道も剣の腕も食べてゆくために何の役にも立たなかった。しかしそれでもささやかな平和の中に生きているはずだった。その浪人には病に臥す「加也」という一人娘がいた。そして「加也」と言い交わした若者「新十郎」が職務を全うして晴れて娘の元に戻ってくるとの知らせがあった。新十郎と別れて七年の歳月が経っていた。

浪々の身と長屋住まいはどうにもならない。しかしせめて娘に晴れ着、髪の道具、病気を癒す薬を購いたかった。頭を下げて頼みまわったが金の工面はできなかった。娘のためなら命さえ捨てても惜しくはなかった。そこへ腕を買いたいという人物が現れた。金のため人斬りを引き受けたが、心の中は苦悩していた。金のため武士道を捨て邪剣を振るおうとしていることに・・・。

一面 灰をまいたような霧の夜空に にぶく居待の月がよどんでいた。

霧の向うに目指す相手が見えたとき、浪人は一刀の元に相手を切り捨てた。「許せ、娘の幸せのためだ・・・」

その頃、「加也」は晴れ着に着替え、髪を結い上げて新十郎を待っていた。そのとき鏡に映った人影!「加也」は全てを悟った。長屋に戻った父が見たものは・・・・!深い霧の中、自分が斬り捨てた若者と連れ立って出てゆく「加也」の姿だった。「加也は新十郎様と参ります。」「そんなはずはない、今のは立ちくらみの幻影なのか・・・それとも霧のいたずらか・・・」

やがて霧の中から娘の名を叫ぶ悲痛な声が・・・・

すべては娘のためであったはずでした。許婚と再会する娘が恥ずかしい思いをしないようにとの親心は大切な娘の許婚を奪ってしまったのです。なんという運命の悪戯でしょうか。ちょっと胸の中にモヤモヤが残る・・・そんな作品も数多くあります。(ひばりコミックス/「阿波の踊り子」に再録)

さてマンチュウさん提供(『漫画図書館青虫』にて撮影)の作品のご紹介が本日で終了いたしました。改めましてマンチュウさん並びに「青虫」の館長さんにお礼申し上げます。ありがとうございました!
探求日誌 | TB(0) | CM(0) [ 2007/07/24 17:52 ]
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風かをる

Author:風かをる
その旅は昔々店じまいをした貸本屋さんから譲っていただいた数冊の「長篇大ロマン」から始まりました。
小島剛夕作品に魅せられてン十年。果てしない探求の旅が続いています。

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