FC2ブログ

≫ EDIT

オール怪談・40【おぼろ忍法・埋れ木】 

o-rukaidan40.jpg umoregi0.jpg umoregi1.jpg

画像はマンチュウ様提供(『漫画図書館青虫』にて撮影)
━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・

昭和38年3月発刊

「なぜ・・・なぜ来たのだ 生きて帰れぬとわかっていながら・・・」
「ひとことのお言葉におぼろは掟も命をもすてるつもりで来たのです」
忍び・・・非情冷酷のきびしい性であるはずの女忍者が常人並みの心で歩んだその道の果ては?




戦乱の世、織田信長に化性のものとして忌み嫌われ、全滅に近い状態で追われた伊賀の忍び。その生き残りの父娘がとある山中でひっそりと暮らしていた。娘の名は「おぼろ」。母の形見の篠笛を吹いていた時、一人の若侍と出会う。

その若侍は近々新領主としてこの地一体を納める若殿、新三郎であった。おぼろの心に湧いた淡い恋心は一人の忍びの来訪によってもろくも崩れ去る。仲間の忍びから新三郎暗殺を依頼されたのだ。新三郎は信長の信任厚い家来であり、伊賀の乱に加わっていた。新三郎を討つということはすなわち伊賀忍びの仇討でもあった。

たまたまおぼろを訪ねてやってきた新三郎は好機到来と襲い掛かる一人の忍びを切り捨てる。そしておぼろの父が新三郎の背後を襲うとしたとき、おぼろはとっさに新三郎をかばうがそのために父は新三郎に斬られ大怪我を負う。おぼろが卑しむべき忍びの者だった。新三郎は無言でその場を立ち去って行った。

どうしても新三郎の真の心が聞きたい。父の止めるのも聞かずおぼろは新三郎の住む城へと忍び込む。そして三日目、おぼろは新三郎の前に姿を現す。すでに城兵に気付かれ追われている身にもかかわらず新三郎の一言を聞くためにおぼろは命を賭けた。

家来達に見つかればいやでもおぼろを斬らねばならない。逃れるよう説得する新三郎。しかし家来の射た矢がおぼろの背に・・・・!苦しい息の下から真の心を聞かせて欲しいと懇願するおぼろ。「終生、余のそばで愛でたいと思っていた・・・。」新三郎の言葉に「うれしい・・・。」とつぶやき、「おぼろ忍法埋れ木!・・・」の言葉を残して果てる。

それから幾日かが過ぎた。月を見上げておぼろを偲ぶ新三郎の耳に篠笛の音色が・・・。「まさか・・・!?」そう思いつつ、いつの間にかおぼろが果てた埋れ木の近くに来ていた。そして新三郎の目に埋れ木に腰をかけ篠笛を吹くおぼろが・・・!

次の瞬間おぼろの姿は消えていた。「やはり目の迷いであったか・・・。しかしありありと笛の音が・・・。」ふと埋れ木に目を移すと小さな節に篠笛が差し込まれているではないか。新三郎がその篠笛に手をかけ引き抜いた瞬間!埋れ木が爆発し新三郎を直撃した。「おぼろ・・・・やったな」

おぼろが死を賭して城中に忍んだのが果たしてまことの心を知るためか・・・・
埋れ木の術を成功させるためであったかはわからない・・・・・
ただ やはりおぼろは優秀な忍者であったのだ・・・

この作品は「オール怪談80/S42」に再録されています。

なお、昭和42年10月26日発行「週刊漫画アクション」に同じ題名で書き直されています。ただ、貸本の方は「埋れ木」、アクションの方は「埋もれ木」と送り仮名が変わっています。昭和43年5月1日発行「おぼろ十忍帖」(B5判)にその書き直しの作品が再録されています。

昭和47年9月30日には判を変えて同名の「おぼろ十忍帖」発行(B6判)、またつい最近平成版として発行されたチクマ秀版社「おぼろ十忍帖」(A5判)にも再録されています。

「おぼろ」という名前に大変な思い入れがあったという剛夕先生。その思い入れは3回も判を変えて出版されている「おぼろ十忍帖」を見てもわかります。その後、やはり「おぼろ」という女忍の話を週刊漫画アクションに掲載されています。それが「おぼろ忍抄/全22話」です。
探求日誌 | TB(0) | CM(0) [ 2007/07/14 18:14 ]
コメントの投稿











管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL
 カレンダー
10 | 2019/11 | 12
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
 プロフィール

風かをる

Author:風かをる
その旅は昔々店じまいをした貸本屋さんから譲っていただいた数冊の「長篇大ロマン」から始まりました。
小島剛夕作品に魅せられてン十年。果てしない探求の旅が続いています。

 月別アーカイブ
 ブロとも申請フォーム
 QRコード
QRコード
 ブログ内検索