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【絵島生島】 12 

絵島生島   絵島生島-口絵
「絵島生島」 昭和37年5月
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有名な「絵島(江島)生島事件」を扱った物語です。作者自ら史実とは変えてあると次のように語っています。
―虐げられてきた歌舞伎を昴めようとした生島兄弟のいたましい生涯があったことは忘れられないことです。そして歌舞伎を庶民のものとして、芸道に生きた団十郎の精神は連綿と現代に至るまで芸能の中に生きています。―

物語の中に二代目市川団十郎の襲名シーンが出てきます。剛夕先生がこの作品を手がけていたとき、十一代市川団十郎の襲名興行が歌舞伎座で行われていたそうです。



時は六代将軍、家宣の治世。大奥では将軍の生母、天英院が権力を振るっていた。しかし家宣が他界し幼君、家継の世になると生母、月光院が勢力を持ち始める。月光院の信頼厚い絵島は実は天英院派の宮路という奥女中の姦計により人気役者、生島新五郎と引き裂かれ大奥に上がったという経緯があった。


当時、奥女中たちが宿下がりや神社仏閣への代参の折の物見遊山は禁じられていたが、それは表向きのことで公然の秘密として行われていた。芝居見物の折、自分になびこうとしない新五郎に恨みを抱いた宮路は絵島と生島を利用して月光院を失脚させようと図る。


姦計と知りつつ絵島への想いを抑えきれない新五郎は長持ちに潜み大奥へ。束の間の逢瀬の喜びに浸る二人・・・。しかし事は露見し、絵島は月光院へ追及の手が伸びぬよう一身に罪を背負い高遠へ配流、新五郎は三宅島へ遠島となる。


どんなに遠く隔てられても互いの心が結び合っていればそれを幸せに生きて行く・・・。かくて山と海に分けへだてられたままに・・・幽囚の歳月は遂に三十年の長きにわたったという・・・。二人に春はふたたびめぐらなかった。だが永遠に幸せの夢から覚めぬ生涯であったに違いない・・・・。


月はやかげり風たちぬ
われひとり秘めし呼び声
告げよ風よ
姿遠きかの人
ああ、なつかしの月の宵

長篇大ロマン | TB(0) | CM(0) [ 2007/03/05 18:19 ]
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Author:風かをる
その旅は昔々店じまいをした貸本屋さんから譲っていただいた数冊の「長篇大ロマン」から始まりました。
小島剛夕作品に魅せられてン十年。果てしない探求の旅が続いています。

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