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【天草四郎】 11 

天草四郎   天草四郎-口絵 
「天草四郎」 昭和37年4月
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九州天草地方を襲った飢饉に加えた圧政。人々は異国の教えキリスト教に救いを求め、苦難の宗徒を救いにくるという天童をひたすら待ち焦がれる。

一方で記憶を失い放浪する四郎と名乗る少年がいた。ひょんなことから異国から天童としてやってきた少年と神父に出会う。四郎は身に付いた医術の心得で破傷風にかかった天童を救おうとする。しかし天童は「シロウコソ、テンドウ・・・。」との言葉を遺し天国に召される。

ここに天童「天草四郎」が誕生した。天童なるがゆえお互いに好意以上のものを抱く由加里とも距離を置き、ひたすら宗徒のために身を捧げる四郎。そして由加里を愛しながらも神の教えを信じようとしない若者次郎とその次郎を愛するあけみとが複雑にからみクライマックスへ!

四郎が由加里をしっかりと抱きとめていてくれれば次郎は自分のものになる。あさはかな女心だった。しかし四郎と由加里の距離が縮まらないことを知るやあけみの憎しみは倍増し・・・。四郎を役人に密告しようとするあけみ、それを命がけで止めようとする由加里。二人の身体はもつれ合い断崖絶壁から荒れ狂う海の中へ・・・!



岩にしがみつくあけみの姿を認めた四郎は危険を顧みず海の中に飛び込む。あけみの救出劇の一部始終を見つめる次郎の口から初めて神への祈りの声がもれた。あけみは救われ、由加里は・・・。恥じ入る二人に四郎は静かに諭す。あけみも同じ神の子。由加里が次郎とあけみに神の教えを与えたのだと。


人前では天童として振舞った四郎だったが、由加里が命を落とした断崖絶壁にひれ伏して・・・。


天童なるが故に人知れず・・・・呼ぶ声もひそかに・・・四郎は・・・そう、人間四郎は、ひた泣きに泣いて・・・泣いて、・・・・。


時は寛永十四年十二月十五日島原の農民の怒りは爆発した!その陰に暗躍する豊臣の残党の存在を四郎が知ったときはすでに遅かった。豊臣のために戦うのではない!人間としての尊厳を取り戻すために戦うのだ!事ここにいたっては四郎も先陣をきって戦うほかはなかった。


天童の御名のもと、天草四郎ある限り必ず勝つ!! そんな戦いの中で多くの人々が死にいく様を嘆き迷う四郎。そのとき四郎、次郎、あけみの立つすぐ近くで砲弾が炸裂した。


・・・・・・・我に返る四郎。「ここはどこなんだ?何故私はここにいる?」四郎は放心状態のまま父母の名を叫びながら出て行く。その日、原城はついに落城の猛火に包まれた。その業火の中、十字架をかざして最後まで立ち続けた少年の姿は・・・はたして!?


涙する名場面が多々ある作品です。天草四郎に新解釈を与え、それが無理なく心に響いてきます。「人間にもどられた・・・。」天童四郎を呼びに来た人々に次郎はそう告げます。そしてあけみは・・・ここで四郎に助けられたあけみの存在が大きくクローズアップされます。三万の信徒を絶望させまいと四郎に代わり天童として身代りに立ったのは・・・そうです。あけみだったのです。

長篇大ロマン | TB(0) | CM(0) [ 2007/02/23 17:14 ]
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Author:風かをる
その旅は昔々店じまいをした貸本屋さんから譲っていただいた数冊の「長篇大ロマン」から始まりました。
小島剛夕作品に魅せられてン十年。果てしない探求の旅が続いています。

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