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オール怪談29【黒髪ざんげ】 


オール怪談29   オール怪談29-口絵
オール怪談29  【黒髪ざんげ】
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(S37/4)掲載作品

・今宵別れの握手を(浜慎二)
・黒髪ざんげ(小島剛夕)33P
・踊り子像(落合二郎)
・笑う奴には福が来る(北風三平)

画像はマンチュウ様提供(『漫画図書館青虫』にて撮影)
「怪談97」に再録



「ああ・・・あの黒髪・・・美しいお嬢さまのあの・・・みどり流るるあのお髪を、今一度この手で結い上げてみたい!・・・」
自分だけの胸に秘め命かけた面影だけをしたって、とどかぬ願いにあがく苦悩の明け暮れがつづいた・・・そして、生きる希望をうしなっていった・・・
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江戸一番と言われた髪結いの平吉だったが、今ではまるで夢遊病者のように想い出の黒髪を求めて町中を彷徨っていた。あの流れるような見事な黒髪に今一度触れたい・・・。その一心が病の身体を動かしていた。平吉が惚れぬいた見事な黒髪の持ち主は大身の旗本の下へ輿入れしていたのだ。もう二度とあの黒髪に触れることは出来ないのか・・・?

明日をも知れない病の床に就く平吉は、朦朧とした意識の中で楽しかった日々思い出していた。お嬢さまの黒髪を結い上げているときが至福のときだった。そのお嬢さまの黒髪に今一度・・・・!

苦しい息の下でお嬢さまの黒髪を結い上げるときに使った櫛をお屋敷へ届けて欲しいと頼む平吉。実は旗本へ嫁いだお嬢さまも平吉に想いを寄せていたのだ。それがわかったところで結ばれるはずも無い二人であった。

鏡の前で髪を梳こうとしていたお嬢さまは、腰元から一本の櫛を渡された。見覚えのある櫛であった。その櫛で髪を梳きながら、平吉を忍んでいたとき鏡の中に写った人影・・・!平吉だった。最後の願いに髪を結わせて欲しいと頼む平吉。やがてお嬢さまの髪が見事に結いあがったとき、平吉の姿が消えていた。

その頃、「お嬢さま、いつものようにお髪を結って差し上げましょう。」という言葉を最後に満足そうに平吉がこと切れていた。

この作品は「怪談97/S42」に再録されています。口絵、扉絵もまったく同じです。余談ですがこの「黒髪ざんげ」という題名で『小島剛夕の世界』を検索しますと「鹿野はるお」「山下よしお」などの作品が引っかかります。使いやすい題名だったのでしょうか。
オール怪談 | TB(0) | CM(0) [ 2007/02/20 15:21 ]
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風かをる

Author:風かをる
その旅は昔々店じまいをした貸本屋さんから譲っていただいた数冊の「長篇大ロマン」から始まりました。
小島剛夕作品に魅せられてン十年。果てしない探求の旅が続いています。

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