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【怪談別冊・時代特集9】 業火の島 

昭和35年9月頃の発刊と推測されます。

<怪談別冊・時代特集9>
・業火の島(小島剛夕)40P
・悲壮の剣(太田康介)本文では「悲壮の舞」
・黒い卍(清水良)
・猫は見ていた(福田三省)

この作品は『オール怪談77』に【赤目の島】(昭和42年頃)と改題して再録されています。 また『漫画ゴラク』(昭和44年6月9日増刊)に同名タイトルでリメイクされています。 内容は同じなのであらすじは『漫画ゴラク』編を再掲載しておきます。(登場人物の名前は「弓之介」を「多四郎」と置き換えてお読みください。 女性の名前は同じです。)

※画像クリックで大きな画像がご覧いただけます。
※「あらすじ」は「続きを読む」をクリックして下さい。


怪談別冊・時代特集9 口絵 扉絵




非業に死んだ両親の仇、赤目島の海賊を討つべく弓之介は舟を仕立てて日向灘に赤目島を捜し求めていた。 ある日、大嵐に巻き込まれ舟は木っ端微塵にくだかれ、弓之介は捜し求めていた赤目島に流れ着く。 弓之介の命を救ったのは皮肉にも仇と狙う海賊の首領の娘阿久里だった。 余所者は一本の丸太をあてがい沖に流すというのが掟であった。 弓之介に心惹かれていた阿久里は弓之介の命を救うため、親子の縁を切られてまで夫婦になることを父に誓う。 

阿久里の父である海賊の首領を討ち果たすべきか・・・、このまま憎しみを忘れ、阿久里との平穏な日々を選ぶべきか。 弓之介の心は千々に乱れた。 非業の最期を遂げた両親のためにも阿久里との幸せを望んではならない。 自らに言い聞かせるように阿久里に妻として迎えることはできないと告げる弓之介だった。 阿久里の嘆きは深く大きかった。 わけを聞かせてくれと泣いてすがる阿久里に弓之介はつぶやいた。

「あの竜神の目が赤くでもならぬ限り、私たちは結ばれることはできないのだ。」

赤目島には一つの言い伝えがあった。 竜神山の頂に鎮座する破船の船首の竜神の目が赤くなるとこの島は海の底に沈んでしまうと。 諦めさせようと口にした弓之介の言葉を信じた阿久里はその日から竜神に必死の祈りを捧げた。 深く、激しい祈りだった。 たとえ、島が沈むことがあってもひと時でもその目を赤く彩ってほしいと・・・。

ついに弓之介は阿久里の真実の愛の前に仇への憎しみを忘れる決意をする。 弓之介は赤い顔料を持ち、己の手で竜神の眼を赤く染めたのだ。 赤目島の言い伝えを信じる海賊たちは我先に島を抜け出そうと大騒ぎになった。 阿久里もまた自分の祈りによって竜神の目が赤く染まり島が沈むと信じていた。

笑いながら竜神の目を赤く塗ったのは自分だと説明しようとした弓之介はわが目を疑った。 ただの紅ガラを塗っただけの竜神の目がランランと輝き、同時に不気味な地鳴りが起こったのだ。 次の瞬間、竜神山はその頂上から巨大な噴煙と灼熱の火塊を吹き上げた。 そして真っ赤に焼け爛れた業火の島は徐々に海中に沈んでいくのだった。

弓之介と阿久里は奇跡的に助かりすべては神の戒めだったのだと心に深く刻み、幸せな余生を送ったという・・・。
怪談別冊・時代特集 | TB(0) | CM(0) [ 2013/02/13 09:56 ]
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風かをる

Author:風かをる
その旅は昔々店じまいをした貸本屋さんから譲っていただいた数冊の「長篇大ロマン」から始まりました。
小島剛夕作品に魅せられてン十年。果てしない探求の旅が続いています。

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