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怪談18 【多情仏心】 

表紙と本文をカラーコピーにて所有していましたが、このたびやっと入手できました。 残念ながらカバー欠で、「山梨幸二/なん年か前の事」が2枚(4ページ)落丁ですが、その他は貸本として使用された形跡がほとんどなく大変状態の良いものです。

昭和34年12月頃の発刊と推測されます。

<怪談18>
・隠亡・おんぼう(古賀しんさく)
・多情仏心(小島剛夕)24P 
・冬の夜の墓(山下よしお)
・妖人・あやかしびと(サツキ貫太)
・乙女蝶(多摩海人)
・なん年か前の事(山梨幸二)

※画像クリックで大きな画像がご覧いただけます。
※あらすじは「続きを読む」をクリックしてください。


怪談18 怪談18(口絵) 怪談18(扉絵)




琵琶の名手として名高い芳市には盲目になる悲しい過去があった。 身分の低い平家一門の公達であった芳市は琵琶が取り持つ縁で高貴な姫君、妙姫と心を通わせるようになる。 加茂の河原で琵琶を弾く芳市のそばに牛車を止め、美しい音色に耳を傾ける姫。 時折、曲名を告げる姫の美しい声を聴く。 それだけでも二人の心と心は相寄って行った。 しかし、芳市は身分の差ゆえに顔を見ることさえかなわないことに耐えかね、ある日、牛車の御簾に手をかけてしまう。 供のものに鞭打たれ、それがもとで盲目となる芳市。

やがて妙姫をはじめ、平家一門は壇ノ浦で非業の最期を遂げる。 その姫の最期の地である壇ノ浦の潮騒を琵琶に取り入れるべく京都から流れてきた芳市であった。

芳市は妙姫の魂に導かれるように夜ごと住まいにしている寺を抜け出し琵琶を奏でた。 日増しにやつれて行く芳市の身を案じた寺の住職は守り本尊を肌身離さぬよう芳市に手渡す。

そして美しい月が夜の海に影を漂わせる頃、芳市の姿が消えた。 後には住職が手渡した守り本尊が残されていた。 住職が駆け付けた場所は平家一門が眠る墓所であった。 時遅く芳市は琵琶を弾く姿そのままにこと切れていた。

はたして芳市はわざと本尊を置いて行ったのか・・・。 姫は芳市を呼びたかったのだ。 芳市はそれを知って幸せを求めた。 無情の心もなく永久に離れることのないあの世へと・・・。

※この作品は「耳なし芳一」という怪談話を下敷きにしていると思われます。
怪談 | TB(0) | CM(0) [ 2012/12/28 16:13 ]
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風かをる

Author:風かをる
その旅は昔々店じまいをした貸本屋さんから譲っていただいた数冊の「長篇大ロマン」から始まりました。
小島剛夕作品に魅せられてン十年。果てしない探求の旅が続いています。

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