小島剛夕の人気を決定付けた長編単行本シリーズである。 美男美女の恋愛と悲劇という日本人が最も好む王道の物語が、精微で色気のある筆遣いによって、情緒豊かに展開。 ある意味通俗的ではあるが、その甘美で華麗な作品世界は、今もなお色褪せていない。
全52巻としたのは、第23巻『花咲ける武士道』の改題再録本である『戦国くの一帖』(昭和43年刊・つばめ出版)の巻末に掲載された「小島剛夕全作品リスト」に拠る。 ここで「A5長篇大ロマン」と分類されたものが全部で52作品。 実際は、『帰去来峠』『修羅無常』などの「小島剛夕・名作劇場」や『お軽と勘平』『紅だすき素浪人』などの「純愛忠臣蔵シリーズ」といった別シリーズも含まれているが、つばめ出版が作成したリスとに拠って、全て「小島剛夕長篇大ロマン」シリーズとして扱うことにした。 ただし、前出『戦国くの一帖』や『お役者変化』『影法師』(全2巻)などの改題再録本はこれに含めず、別項で紹介する予定。
発行時期については、前出「小島剛夕全作品リスト」に拠ったが、全国出版物卸商業協同組合発行の『書籍雑誌卸月報』に掲載された新刊広告と一致しない作品もあり、そういうものについては、『書籍雑誌卸月報』掲載の発行時期も解題に併記した。
(補足/by風かをる)
いよいよ『長篇大ロマン』の連載が始まります!
カテゴリ『長篇大ロマン』に「長篇大ロマンについて」という短文を掲載していますので併せてご覧ください。