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【連載第8回】 A5判 「柳生忍群」(全5巻)-その2-  

柳生忍群 第2巻(解題)
三洋社発行。 本編176ページ。 昭和35(1960)年晩秋(11月下旬頃?)に出版された。 本文扉に副題として「黒いかげろう篇」と記されている。 第2巻の発売はかなり遅れたらしく、編集後記にお詫びが載っている。 しかし遅れただけあって、絵の完成度とストーリーの面白さは第1巻以上である。 前作のラストから十五年後が舞台。 如月佐十郎と利香の間に生まれ、忍者に育てられたかげろうが登場。 「風盗」と呼ばれる忍犬の群れとかげろう率いる忍者集団が対決する一連のシークエンスは『柳生忍群』全編の中でも屈指のアクションシーン。 その躍動感と迫力は、思わず手に汗を握るほどの出来栄え。 後半には宮本武蔵の養子宮本伊織も登場し、柳生十兵衛の身辺は俄かに慌ただしくなる。

※「あらすじ」は<続きを読む>クリック

表紙 P2

P66-67(見開き)

P71 P79 P156


(補足/by風かをる)
「柳生忍群(全5巻)」は後年、「柳生陰ノ流レ」(週刊漫画アクション連載)として描き直されました。 只、物語に大きな影響を持つことになる「日ノ一の術」は「くノ一の術」として登場しています。 「くノ一の術」に関しての説明がありますが、無理やり感があり、今一つスッキリしません。 なぜ術の名前を変更したのか不思議です。

また、成瀬氏が躍動感と迫力を感じたと言われている場面(「風盗」と呼ばれる忍犬の群れとかげろう率いる忍者集団の対決シーン)は剛夕先生自身も大変気に入っていらっしゃたようでくり返し作品に取り入れています。 (例:「忍鬼 赤不動」 「忍法 影一字」 「忍者 ハヤト」等) また、剛夕先生が漫画化されている作品に柴田錬三郎原作の『赤い影法師』がありますが、剛夕先生はこの作品からたくさんのヒントを得ていたようです。 

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風かをる

Author:風かをる
その旅は昔々店じまいをした貸本屋さんから譲っていただいた数冊の「長篇大ロマン」から始まりました。
小島剛夕作品に魅せられてン十年。果てしない探求の旅が続いています。

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