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【連載第22回】小島剛夕長篇大ロマン10 花の濡れ燕 

10 花の濡れ燕

(解題)
つばめ出版発行。 本編128ページ。 昭和37(1962)年3月頃に出版された。 表紙絵を見れば一目瞭然。 色男・佐々木小次郎の恋と戦いをロマンチックに描く。 前作『千姫絵巻』から第13作『お七狂乱』までは、よく知られた題材の物語が立て続けに並ぶ。 これらが読者からの要望に応えた結果であることは『南海の美少年 天草四郎』『お七狂乱』の読者欄「花のたより」や『絵島生島』の執筆後記に記されているが、ややオリジナリティに欠けてしまったのは否めない。

(あらすじ)
小太刀を得意とする富田勢源の門下でありながら、長刀を駆使する技を編み出した佐々木小次郎は、師勢源に破門を言い渡され、愛する兎弥(とね)と別れて諸国放浪の旅に出た。 兎弥への想いを胸に秘め、剣の夢を追い求める小次郎の旅は、やがて九州・小倉へと辿り着く。 小次郎の後を追う兎弥。 小次郎に剣の夢を捨てろと迫る琉球の女・美美(みみ)。 二人の女の願いも空しく、剣の夢に憑かれた小次郎は、宿敵・宮本武蔵との決戦の地・巌流島へと赴くのだった。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「花の濡れ燕」参照

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【連載第21回】小島剛夕長篇大ロマン9 千姫絵巻 

9 千姫絵巻

(解題)
つばめ出版発行。 本編128ページ。 昭和37(1962)年1月頃に出版された。 前作『ふり袖狂女』に掲載の次号予告では、「淀と千姫」というタイトルで紹介された作品。 当初の構想では、豊臣秀頼の生母・淀殿と徳川家康の孫娘・千姫の関係に重点を置いたストーリーであったと推測されるが、実際の作品では、千姫と秀頼の儚い愛、千姫を救った坂崎出羽守の乱心などのエピソードに多くのページが割かれ、戦乱と権力の犠牲者・千姫の悲劇が格調高く描かれている。

浪曲の「吉田御殿」や、三隅研次監督・山本富士子主演の映画「千姫御殿」(昭和35年・大映)あたりが元ネタとなっているように思われる。 また、この『千姫絵巻』が出版された直後の昭和37年3月25日に、東映制作の映画「千姫と秀頼」が封切られている。 この映画は、三上於莵吉の小説を基に、マキノ雅弘が監督した。 主役の千姫を美空ひばりが演じ、そのほか、秀頼は中村錦之助、家康は東野英治郎、坂崎出羽守は平幹二朗、柳生但馬守は近衛十四郎、片桐隼人は高倉健、という豪華キャストであった。 この『千姫絵巻』は、大作映画の封切に併せたタイアップ的作品だったかもしれない。

(あらすじ)
豊臣秀吉の子秀頼と徳川家康の孫千姫の婚礼は、まさに政略結婚と呼ぶべきものであったが、当の秀頼と千姫は、周囲の思惑とは別に、深く愛し合っていた。 だが、家康の権力への欲望は、それを許してはくれなかった。 天下平定の総仕上げとして、徳川と豊臣の最終決戦の火蓋が切られた。 大坂夏の陣である。 衆寡敵せず、豊臣家は敗れ、大坂城は猛火に包まれた。 家康から千姫救出の命を受けた坂崎出羽守は、落城寸前のところで千姫を救い出すが、愛する秀頼と最後をともに出来なかった千姫は、坂崎出羽守のことを深く恨むようになる。 救出が成功すれば千姫との結婚を許すと家康に口約束されていた坂崎出羽守は、千姫から頑なに拒絶され、ついに乱心してしまう。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「千姫絵巻」参照

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【連載第20回】小島剛夕長篇大ロマン8 ふり袖狂女 

8 ふり袖狂女

(解題)
つばめ出版発行。 本編128ページ。 昭和36(1961)年12月頃に出版された。 この作品から表紙絵・背表紙に「怪談」の二文字が記されなくなった。 主人公の男女の名前がお夏と清十郎であることから、井原西鶴「好色五人女」、近松門左衛門「五十年忌歌念仏」、坪内逍遥「お夏狂乱」などで有名ないわゆる「お夏清十郎」のお話なのかと思いきや、お夏が狂う以外は全く違うストーリー。 幕末を舞台にした激しい流転の大メロドラマである。

(あらすじ)
土佐藩士相良清十郎は、瀬戸内海に面したとある岬で、暴漢に追いかけられていた娘お夏を救うが、清十郎を暴漢の一味と勘違いしたお夏の許嫁兵馬に斬りかかられる。 咄嗟に兵馬の一撃をかわす清十郎であったが、そのはずみで兵馬は崖下の海中へ転落してしまう。 重傷を負った兵馬を助けたのは、近くを航行中の土佐藩の御用船に乗っていた蝦夷の廻船問屋松前屋の主人とその許嫁の雪江だった。 顔に大怪我を負った兵馬は清十郎を深く恨むようになっていた。 

偶然再会した二人は、またも斬り合いとなる。 兵馬の攻撃を再び退けた清十郎は、逃げる道すがら、川のほとりで悲歎に暮れている娘に出会う。 その娘は、松前屋との内祝言の場を抜け出してきた雪江だった。 雪江は、決して松前屋を嫌いではなかったが、養父の出世の道具にされるのを嫌がってこの結婚に乗り気ではなかったのだ。 清十郎と雪江は恋に落ちる。 だが、清十郎は、兵馬の謀略により無実の罪を着せられ、牢獄に入れられてしまう。 親友の坂本竜馬の助けで脱獄する清十郎。 しかし、雪江は松前屋に連れられて蝦夷の地へと去っていった。

時は流れ、鳥羽伏見の戦いの後のこと。 各地を渡り歩き江戸に流れ着いた清十郎は、かつて窮地を救ったお夏と再会する。 お夏は助けられて以来ずっと清十郎のことを想っていた。 だが、またしても清十郎の前に兵馬が現れる。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「ふり袖狂女」参照

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【連載第19回】小島剛夕長篇大ロマン7 阿波の踊り子 

7 阿波の踊り子

(解題)
つばめ出版発行。 本編128ページ。 昭和36(1961)年11月頃に出版された。 背表紙にのみ「怪談」の二文字が印刷されている。 典型的な仇討もので、ルーチンワークの娯楽作品と言えるが、阿波徳島の風俗文化を物語の設定に上手く取り込んでいる点は評価できる。

(あらすじ)
阿波藩でのお話。 家老堀田外記は、廻船問屋網屋茂兵ヱに抜け荷の濡れ衣を着せて妻もろとも処刑し、その財産を没収という名目で全て横領する。 ただ一人残された網屋の息子新太郎は、剣の腕を磨き、仇である堀田外記の命を狙っていた。 だが、ある日、旅芸人の一座にいるお鈴と出会い、新太郎の一念に乱れが生じる。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「阿波の踊り子」参照

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【連載第18回】小島剛夕長篇大ロマン6 濡れ髪草紙 

6 濡れ髪草紙

(解題)
つばめ出版発行。 本編128ページ。 昭和36(1961)年10月頃に出版された。 表紙・背表紙ともに「怪談」と記載されているが、「増刊」の二文字は無くなった。 哀愁に満ちた悲恋もの。 岡本綺堂の名作戯曲「番町皿屋敷」と河竹黙阿弥の歌舞伎「極付幡隨長兵衛」が元ネタになっている。 新味のない題材であるが、小島は情感たっぷりに描き切った。

(あらすじ)
若い旗本達が「白柄組」と名乗って徒党を組み、江戸市中で無頼の限りを尽していた。 二千石の跡取り青山播磨も一味の一人であったが、美しい娘お菊に恋情を抱くようになって、自分のこれまでの行状に疑念を抱くようになる。 しかし、播磨は、ある夜、お菊に想いを寄せる井吹三平に襲われ、彼を図らずも斬ってしまう。 その瞬間から、播磨の周囲に不吉な影が漂う。 青山家の用人・佐仲は、播磨と若年寄の娘との縁談をまとめるべく、播磨とお菊の仲を裂こうと一計を案じ、お菊に播磨の縁談話をわざと教える。 お菊は播磨の心を試すために、青山家の宝である家康公より拝領の皿を割る。 播磨が本当に自分を愛しているのなら、先祖伝来の皿を壊しても手討ちにしないだろうと…。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「濡れ髪草紙」参照

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【連載第17回】小島剛夕長篇大ロマン5 落花の舞 

5 落花の舞

(解題)
つばめ出版発行。 本編128ページ。 昭和36(1961)年9月頃に短編誌『怪談』の増刊として出版された。 小島剛夕お得意の幕末もの。 「小島剛夕長篇大ロマン」シリーズにおいて、この『落花の舞』を始め、幕末から明治初期を舞台にした作品は、十を超える。 戦国時代と同様に、大きな時代の転換期に人生を振り回される人々の姿は、悲劇の題材として取り上げやすいのだろう。 ここでも剣戟の巷京都から会津若松での戦いまで争乱に巻き込まれ引き裂かれる男女の愛が哀切を込めて描かれる。

(あらすじ)
時は幕末。 勤王佐幕の血風吹き荒れる京都。 祇園祭の宵山の日に、会津浪人仁礼新八郎と旅籠・池田屋の娘お園は出会った。 新八郎は、新選組隊士である兄銀之丞の後を追って京都に来たのだった。 池田屋に客として出入りする長州藩の桂小五郎は、新撰組に入隊しようと考える新八郎に、来るべき日本の未来のために学問を修めることを勧める。 長崎留学を決意した新八郎は、三年後の宵山の日に再会することをお園に約束して旅立つ。 だが、三年後の宵山の日は、あの池田屋事件の当日であった。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「落花の舞」参照

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【連載第16回】小島剛夕長篇大ロマン4 うず潮の果て 

4 うず潮の果て

(解題)
つばめ出版発行。 本編135ページ。 昭和36(1961)年7月頃に短編誌『怪談』の増刊として出版された。 初期作品『隠密黒妖伝』の主人公風早隼人と全く同じ名前の主人公が登場。 御庭番である設定も同じ。 また主人公が将軍から直に命令を受け虚無僧姿に変装して江戸を出発するまでのシークエンスも『隠密黒妖伝』とかなり似ている。 多忙によるものなのか、少々手抜きの感もしなくもない。 しかし、『隠密黒妖伝』がハッピーエンドなのに対して、この『うず潮の果て』は大悲劇に終わる。

(あらすじ)
公儀御庭番風早隼人は、阿波藩蜂須賀家に伝わる秘文書の入手を将軍直々に命じられる。 それは、二十年前阿波藩に潜入し行方不明になった父才助と同じ任務であった。 父と共に潜入したもう一人の隠密風待将監も同じく行方不明。 隼人は恋人千鶴を江戸に残してひとり阿波へと旅立つ。 隼人に恋い焦がれる千鶴はくぐつ師の姿で後を追った。 鳴門海峡を渡って早々、阿波藩の隠し目付が隼人を襲った。 窮地を救ったのは、千鶴の面影を宿す美しい娘双葉だった。 だが、医者である双葉の父こそ、二十年前に隼人の父才助を裏切った風待将監その人であった。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「うず潮の果て」参照

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 プロフィール

風かをる

Author:風かをる
その旅は昔々店じまいをした貸本屋さんから譲っていただいた数冊の「長編大ロマン」から始まりました。
小島剛夕作品に魅せられてン十年。果てしない探求の旅が続いています。

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