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【連載第18回】小島剛夕長篇大ロマン6 濡れ髪草紙 

6 濡れ髪草紙

(解題)
つばめ出版発行。 本編128ページ。 昭和36(1961)年10月頃に出版された。 表紙・背表紙ともに「怪談」と記載されているが、「増刊」の二文字は無くなった。 哀愁に満ちた悲恋もの。 岡本綺堂の名作戯曲「番町皿屋敷」と河竹黙阿弥の歌舞伎「極付幡隨長兵衛」が元ネタになっている。 新味のない題材であるが、小島は情感たっぷりに描き切った。

(あらすじ)
若い旗本達が「白柄組」と名乗って徒党を組み、江戸市中で無頼の限りを尽していた。 二千石の跡取り青山播磨も一味の一人であったが、美しい娘お菊に恋情を抱くようになって、自分のこれまでの行状に疑念を抱くようになる。 しかし、播磨は、ある夜、お菊に想いを寄せる井吹三平に襲われ、彼を図らずも斬ってしまう。 その瞬間から、播磨の周囲に不吉な影が漂う。 青山家の用人・佐仲は、播磨と若年寄の娘との縁談をまとめるべく、播磨とお菊の仲を裂こうと一計を案じ、お菊に播磨の縁談話をわざと教える。 お菊は播磨の心を試すために、青山家の宝である家康公より拝領の皿を割る。 播磨が本当に自分を愛しているのなら、先祖伝来の皿を壊しても手討ちにしないだろうと…。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「濡れ髪草紙」参照

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【連載第17回】小島剛夕長篇大ロマン5 落花の舞 

5 落花の舞

(解題)
つばめ出版発行。 本編128ページ。 昭和36(1961)年9月頃に短編誌『怪談』の増刊として出版された。 小島剛夕お得意の幕末もの。 「小島剛夕長篇大ロマン」シリーズにおいて、この『落花の舞』を始め、幕末から明治初期を舞台にした作品は、十を超える。 戦国時代と同様に、大きな時代の転換期に人生を振り回される人々の姿は、悲劇の題材として取り上げやすいのだろう。 ここでも剣戟の巷京都から会津若松での戦いまで争乱に巻き込まれ引き裂かれる男女の愛が哀切を込めて描かれる。

(あらすじ)
時は幕末。 勤王佐幕の血風吹き荒れる京都。 祇園祭の宵山の日に、会津浪人仁礼新八郎と旅籠・池田屋の娘お園は出会った。 新八郎は、新選組隊士である兄銀之丞の後を追って京都に来たのだった。 池田屋に客として出入りする長州藩の桂小五郎は、新撰組に入隊しようと考える新八郎に、来るべき日本の未来のために学問を修めることを勧める。 長崎留学を決意した新八郎は、三年後の宵山の日に再会することをお園に約束して旅立つ。 だが、三年後の宵山の日は、あの池田屋事件の当日であった。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「落花の舞」参照

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【連載第16回】小島剛夕長篇大ロマン4 うず潮の果て 

4 うず潮の果て

(解題)
つばめ出版発行。 本編135ページ。 昭和36(1961)年7月頃に短編誌『怪談』の増刊として出版された。 初期作品『隠密黒妖伝』の主人公風早隼人と全く同じ名前の主人公が登場。 御庭番である設定も同じ。 また主人公が将軍から直に命令を受け虚無僧姿に変装して江戸を出発するまでのシークエンスも『隠密黒妖伝』とかなり似ている。 多忙によるものなのか、少々手抜きの感もしなくもない。 しかし、『隠密黒妖伝』がハッピーエンドなのに対して、この『うず潮の果て』は大悲劇に終わる。

(あらすじ)
公儀御庭番風早隼人は、阿波藩蜂須賀家に伝わる秘文書の入手を将軍直々に命じられる。 それは、二十年前阿波藩に潜入し行方不明になった父才助と同じ任務であった。 父と共に潜入したもう一人の隠密風待将監も同じく行方不明。 隼人は恋人千鶴を江戸に残してひとり阿波へと旅立つ。 隼人に恋い焦がれる千鶴はくぐつ師の姿で後を追った。 鳴門海峡を渡って早々、阿波藩の隠し目付が隼人を襲った。 窮地を救ったのは、千鶴の面影を宿す美しい娘双葉だった。 だが、医者である双葉の父こそ、二十年前に隼人の父才助を裏切った風待将監その人であった。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「うず潮の果て」参照

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【連載第15回】小島剛夕長篇大ロマン3 雨のおらんだ坂 

3 雨のおらんだ坂

(解題)
つばめ出版発行。 本編135ページ。 昭和36(1961)年6月頃に短編誌『怪談』の増刊として出版された。 明らかに柴田錬三郎の「眠狂四郎」シリーズに影響を受けた作品。 転びバテレンの子という汚れた生い立ちに苦しむ男の悲劇を描く。 もう少しページ数があったら、主人公の懊悩にもっと踏み込めたに違いない。

(あらすじ)
転びバテレンの子としての出生を呪う千四郎は、養父を惨殺し、恋人美保を死に追いやり、数多くの人々を暗殺して、無間地獄の暗黒の中で苦しむ日々を送っていた。 ある日、旅の船の中で、千四郎は、美しい琉球娘の奈美に出会う。 彼女はキリシタンで、密かに諸国を旅しながら布教活動を行なっていた。 美保の亡霊に会った奈美は、千四郎の心の闇に光を照らそうとするのだが・・・。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「雨のおらんだ坂」参照

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【連載第14回】小島剛夕長篇大ロマン2 赤い雲の峰 

2 赤い雲の峰

(解題)
つばめ出版発行。 本編135ページ。 昭和36(1961)年5月頃に短編誌『怪談』の増刊として出版された。 第1巻『花の炎』に掲載された次号予告では、第2巻のタイトルは「静心なく・・・」となっている。 また、『書籍雑誌卸月報』昭和36年4月号の広告には「十六夜月」の題名が載っている。 しかし、実際に出版されたのは、この『赤い雲の峰』である。 「静心なく・・・」または「十六夜月」と題された長編単行本はいずれも出版されていないが、同じタイトルの短編は両方とも存在する。 「十六夜月」は『怪談』第34号(昭和36年5月刊)に、「静心なく・・・」は「静こころなく・・・」と表記を一部変えて『怪談』第36号(昭和36年7月刊)に掲載された。 タイトルや題材の変更は、シリーズ初期の試行錯誤を感じさせて興味深い。

(あらすじ)
失踪した兄丞馬に代わり甲府勤番として着任した織部京之助は、川のほとりで美しい娘に出会う。 娘は名を明香(さやか)といい、山奥の里に住む根帯衆の頭領の血を引く者だった。 二人はすぐに恋に落ちるが、病弱な明香の命はあとわずかであった。 兄の同僚に黒塚弥十郎という男がいた。 兄の親友と称して弥十郎は京之助に付きまとう。 弥十郎の狙いは、根帯の里の奥に隠された金鉱だった。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「赤い雲の峰」参照

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【連載第13回】小島剛夕長篇大ロマン1 花の炎 

1 花の炎

(解題)
つばめ出版発行。 本編157ページ。 昭和36(1961)年3月頃に短編誌『怪談』の別冊として出版された。 貸本時代を代表する人気シリーズ「小島剛夕長篇大ロマン」の記念すべき第一作。

『書籍雑誌卸月報』に拠れば当初は「愛染の門」という題名で出される予定だった。 敵対せざるを得ない男達の友情と彼らを愛した女達の哀しみを描いた一編。 女心を震わす哀愁のロマンチシズムと艶やかな画風は第一作から絶好調。 女性読者のハートをしっかりと掴んだ。

(あらすじ)
隠し目付として城内の抜け道の秘密を守る喬四郎は、ある雨の夜、その秘密を探らんとする公儀隠密を捕えて愕然とする。 それは、恋人かおりであった。 恋愛と任務の狭間で苦しむ喬四郎であったが、結局彼は任務を優先し、恋人かおりを牢に繋いだ。

一年後、喬四郎はかおりの亡霊に悩まされていた。 喬四郎の妹織江に密かな恋心を抱く新参者の相楽三平は、喬四郎が苦悩の理由を語らぬことに不審を抱く。 三平は織江に自分の妹が一年前に行方不明になったことをさりげなく伝えるが、その妹とは実はかおりであった。

三平もかおりと同じく公儀隠密で、城内の抜け道の秘密を探らんがため、半年前に素性を偽って召し抱えられたのだった。 やがて、三平と織江は喬四郎も公認の相思相愛の間柄となるが、三平の任務遂行の日も近付いていた。 三平と織江の恋も、喬四郎とかおりの時と同じように、儚く散る運命にあったのである。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「花の炎」参照

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【連載第12回】小島剛夕長篇大ロマン(全52巻) 

小島剛夕の人気を決定付けた長編単行本シリーズである。 美男美女の恋愛と悲劇という日本人が最も好む王道の物語が、精微で色気のある筆遣いによって、情緒豊かに展開。 ある意味通俗的ではあるが、その甘美で華麗な作品世界は、今もなお色褪せていない。

全52巻としたのは、第23巻『花咲ける武士道』の改題再録本である『戦国くの一帖』(昭和43年刊・つばめ出版)の巻末に掲載された「小島剛夕全作品リスト」に拠る。 ここで「A5長篇大ロマン」と分類されたものが全部で52作品。 実際は、『帰去来峠』『修羅無常』などの「小島剛夕・名作劇場」や『お軽と勘平』『紅だすき素浪人』などの「純愛忠臣蔵シリーズ」といった別シリーズも含まれているが、つばめ出版が作成したリスとに拠って、全て「小島剛夕長篇大ロマン」シリーズとして扱うことにした。 ただし、前出『戦国くの一帖』や『お役者変化』『影法師』(全2巻)などの改題再録本はこれに含めず、別項で紹介する予定。

発行時期については、前出「小島剛夕全作品リスト」に拠ったが、全国出版物卸商業協同組合発行の『書籍雑誌卸月報』に掲載された新刊広告と一致しない作品もあり、そういうものについては、『書籍雑誌卸月報』掲載の発行時期も解題に併記した。

(補足/by風かをる)
いよいよ『長篇大ロマン』の連載が始まります!
カテゴリ『長篇大ロマン』に「長篇大ロマンについて」という短文を掲載していますので併せてご覧ください。

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 プロフィール

風かをる

Author:風かをる
その旅は昔々店じまいをした貸本屋さんから譲っていただいた数冊の「長編大ロマン」から始まりました。
小島剛夕作品に魅せられてン十年。果てしない探求の旅が続いています。

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