FC2ブログ

≫ EDIT

【連載第15回】小島剛夕長篇大ロマン3 雨のおらんだ坂 

3 雨のおらんだ坂

(解題)
つばめ出版発行。 本編135ページ。 昭和36(1961)年6月頃に短編誌『怪談』の増刊として出版された。 明らかに柴田錬三郎の「眠狂四郎」シリーズに影響を受けた作品。 転びバテレンの子という汚れた生い立ちに苦しむ男の悲劇を描く。 もう少しページ数があったら、主人公の懊悩にもっと踏み込めたに違いない。

(あらすじ)
転びバテレンの子としての出生を呪う千四郎は、養父を惨殺し、恋人美保を死に追いやり、数多くの人々を暗殺して、無間地獄の暗黒の中で苦しむ日々を送っていた。 ある日、旅の船の中で、千四郎は、美しい琉球娘の奈美に出会う。 彼女はキリシタンで、密かに諸国を旅しながら布教活動を行なっていた。 美保の亡霊に会った奈美は、千四郎の心の闇に光を照らそうとするのだが・・・。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「雨のおらんだ坂」参照

15-amenoorandazaka-01.jpg 15-amenoorandazaka-02.jpg 15-amenoorandazaka-03.jpg

15-amenoorandazaka-04.jpg 15-amenoorandazaka-05.jpg 15-amenoorandazaka-06.jpg


≫ EDIT

【連載第14回】小島剛夕長篇大ロマン2 赤い雲の峰 

2 赤い雲の峰

(解題)
つばめ出版発行。 本編135ページ。 昭和36(1961)年5月頃に短編誌『怪談』の増刊として出版された。 第1巻『花の炎』に掲載された次号予告では、第2巻のタイトルは「静心なく・・・」となっている。 また、『書籍雑誌卸月報』昭和36年4月号の広告には「十六夜月」の題名が載っている。 しかし、実際に出版されたのは、この『赤い雲の峰』である。 「静心なく・・・」または「十六夜月」と題された長編単行本はいずれも出版されていないが、同じタイトルの短編は両方とも存在する。 「十六夜月」は『怪談』第34号(昭和36年5月刊)に、「静心なく・・・」は「静こころなく・・・」と表記を一部変えて『怪談』第36号(昭和36年7月刊)に掲載された。 タイトルや題材の変更は、シリーズ初期の試行錯誤を感じさせて興味深い。

(あらすじ)
失踪した兄丞馬に代わり甲府勤番として着任した織部京之助は、川のほとりで美しい娘に出会う。 娘は名を明香(さやか)といい、山奥の里に住む根帯衆の頭領の血を引く者だった。 二人はすぐに恋に落ちるが、病弱な明香の命はあとわずかであった。 兄の同僚に黒塚弥十郎という男がいた。 兄の親友と称して弥十郎は京之助に付きまとう。 弥十郎の狙いは、根帯の里の奥に隠された金鉱だった。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「赤い雲の峰」参照

14-akaikumonomine-01.jpg 14-akaikumonomine-02.jpg 14-akaikumonomine-03.jpg

14-akaikumonomine-04.jpg 14-akaikumonomine-05.jpg 14-akaikumonomine-06.jpg


≫ EDIT

【連載第13回】小島剛夕長篇大ロマン1 花の炎 

1 花の炎

(解題)
つばめ出版発行。 本編157ページ。 昭和36(1961)年3月頃に短編誌『怪談』の別冊として出版された。 貸本時代を代表する人気シリーズ「小島剛夕長篇大ロマン」の記念すべき第一作。

『書籍雑誌卸月報』に拠れば当初は「愛染の門」という題名で出される予定だった。 敵対せざるを得ない男達の友情と彼らを愛した女達の哀しみを描いた一編。 女心を震わす哀愁のロマンチシズムと艶やかな画風は第一作から絶好調。 女性読者のハートをしっかりと掴んだ。

(あらすじ)
隠し目付として城内の抜け道の秘密を守る喬四郎は、ある雨の夜、その秘密を探らんとする公儀隠密を捕えて愕然とする。 それは、恋人かおりであった。 恋愛と任務の狭間で苦しむ喬四郎であったが、結局彼は任務を優先し、恋人かおりを牢に繋いだ。

一年後、喬四郎はかおりの亡霊に悩まされていた。 喬四郎の妹織江に密かな恋心を抱く新参者の相楽三平は、喬四郎が苦悩の理由を語らぬことに不審を抱く。 三平は織江に自分の妹が一年前に行方不明になったことをさりげなく伝えるが、その妹とは実はかおりであった。

三平もかおりと同じく公儀隠密で、城内の抜け道の秘密を探らんがため、半年前に素性を偽って召し抱えられたのだった。 やがて、三平と織江は喬四郎も公認の相思相愛の間柄となるが、三平の任務遂行の日も近付いていた。 三平と織江の恋も、喬四郎とかおりの時と同じように、儚く散る運命にあったのである。

(補足/by風かをる)カテゴリ『長篇大ロマン』、「花の炎」参照

13-roman-hananohonoo-01.jpg 13-roman-hananohonoo-02.jpg 13-roman-hananohonoo-03.jpg

13-roman-hananohonoo-04.jpg 13-roman-hananohonoo-05.jpg 13-roman-hananohonoo-06.jpg


≫ EDIT

【連載第12回】小島剛夕長篇大ロマン(全52巻) 

小島剛夕の人気を決定付けた長編単行本シリーズである。 美男美女の恋愛と悲劇という日本人が最も好む王道の物語が、精微で色気のある筆遣いによって、情緒豊かに展開。 ある意味通俗的ではあるが、その甘美で華麗な作品世界は、今もなお色褪せていない。

全52巻としたのは、第23巻『花咲ける武士道』の改題再録本である『戦国くの一帖』(昭和43年刊・つばめ出版)の巻末に掲載された「小島剛夕全作品リスト」に拠る。 ここで「A5長篇大ロマン」と分類されたものが全部で52作品。 実際は、『帰去来峠』『修羅無常』などの「小島剛夕・名作劇場」や『お軽と勘平』『紅だすき素浪人』などの「純愛忠臣蔵シリーズ」といった別シリーズも含まれているが、つばめ出版が作成したリスとに拠って、全て「小島剛夕長篇大ロマン」シリーズとして扱うことにした。 ただし、前出『戦国くの一帖』や『お役者変化』『影法師』(全2巻)などの改題再録本はこれに含めず、別項で紹介する予定。

発行時期については、前出「小島剛夕全作品リスト」に拠ったが、全国出版物卸商業協同組合発行の『書籍雑誌卸月報』に掲載された新刊広告と一致しない作品もあり、そういうものについては、『書籍雑誌卸月報』掲載の発行時期も解題に併記した。

(補足/by風かをる)
いよいよ『長篇大ロマン』の連載が始まります!
カテゴリ『長篇大ロマン』に「長篇大ロマンについて」という短文を掲載していますので併せてご覧ください。

≫ EDIT

【連載第11回】 A5判 「柳生忍群」(全5巻)-その5- 

柳生忍群 第5巻(解題)
三洋社発行。 本編144ページ。 昭和36(1961)年夏に出版された。 本文扉に副題として『宿命』と記されている。 第4巻をもって完結したにもかかわらず、どういうわけか出版された第5巻。 ストーリーは続編ではなく、全く関連性のない某藩でのお話。 表紙絵に記されている文言は、第3巻の内容と一致し、どうして第5巻のカバーに使用したのか意味不明。 さらに酷いのは、中身の絵。 似せてはいるものの、どこからどう見ても小島剛夕が描いたものでないのは明白。 当時小島と絵が似ていた久慈あきらが急遽代筆した可能性があるが、確証はない。 精彩を欠いた物語と絵。 粗製濫造を得意とする貸本漫画の悪しき実例として記憶されるべき本である。

(補足/by風かをる)
「柳生忍群」の5巻を読んだとき、成瀬氏とまったく同じ感想を持ちました。 4巻で終わっているのになぜ5巻? 絵柄が久慈あきらに酷似。 表紙の文言については3巻の内容に一致するとあるように2巻の巻末によく似た予告文言が記載されています。(以下抜粋)

剣の掟に生命をかける伊織……
忍びの宿命に生きぬくかげろう……
剣忍両道に苦しむ十兵衛……
そして云われざる骨肉を想う半蔵……
因果坂に今や血風月を濡らさんとして第二集は終わる!……

第5巻は確かにとってつけたような内容になっていて何かつながりがあるのではないかと何度も読み返したりしたものです。 つながりと言えば「柳生忍群・柳生十兵衛」の登場ぐらいでしょうか。 そして些細なことですが主要な登場人物の「佐四郎」、「伊織」の兄弟の名前が故意か偶然か宮本伊織、如月佐十郎と似ています。

4巻までのストーリーがのちの『柳生陰ノ流レ』(週刊漫画アクション連載)であるとすれば、この第5巻の内容が『柳生忍群』(コミックmagazine連載)にあたると考えます。 コミックmagazine連載のストーリーの中には「宿命」というタイトルもありますし良く似た話も掲載されています。


※「あらすじ」は<続きを読む>クリック

11-yagyuuningun-01.jpg  11-yagyuuningun-02.jpg

11-yagyuuningun-03.jpg  11-yagyuuningun-04.jpg


≫ EDIT

「怪談」&「オール怪談」掲載作品について 

「怪談」と「オール怪談」に掲載されている作品のタイトルは『目次』を参照してご紹介していました。 細かいことにこだわらなかった貸本世界を反映(?)してか、目次のタイトルと本文のタイトルが微妙に違うことが多々あります。 漢字をひらがな表記にしたりひらがなを漢字表記にしたり、送り仮名が違っていたり・・・表紙や扉絵、口絵、目次などカラーページは本文より少し早めに入稿させる都合上、後から入稿される本文と差異が生じたのかもしれません。 

本文タイトルと違っている作品は剛夕先生の作品にもありましたからわかっていたことなのですが、とにもかくにも『目次』ありきで出発してしまったものですから、最後まで参考にしたのは『目次』です。 剛夕作品に関しては気づいたものに関して「本文では〇〇〇〇と表記」などと注釈を入れたりしていました。

『戦後怪奇マンガ史』(著者・米沢嘉博)という著書に「怪談」、「オール怪談」リストを掲載するに当たり、当サイトを確認して散見する不備を成瀬氏が修正してくださったとのことでした。(2017年11月6日・サイトURL等掲載誌/参照) そのまま掲載してきましたが、このたびやっと本文タイトルに統一することができました。 大変遅くなりましたが、お世話になった赤田氏、成瀬氏に改めてお礼申し上げます。

なお、『戦後怪奇マンガ史』の「怪談」、「オール怪談」リストの中で漢字が2カ所違っていることに気づきましたので修正しています。 いいわけになりますが(汗)、最近、目の疲れがひどく、まだ入力間違いがあるかもしれません。 おいおいチェックしていきますが、お気づきの点がありましたらお知らせいただければ幸いです。
閑話 | TB(0) | CM(0) [ 2018/05/27 22:37 ]

≫ EDIT

【連載第10回】 A5判 「柳生忍群」(全5巻)-その4- 

柳生忍群 第4巻(解題)
三洋社発行。 本編160ページ。 昭和36(1961)年春から夏にかけて出版された。 多彩なキャラクターを自由自在に操った大作時代劇の事実上の完結編。 柳生十兵衛・かげろう・宮本伊織・服部半蔵・真田幸村らのそれぞれの行くべき道が示される。 急いで執筆したためか、第2巻・第3巻に比べて、登場人物の表情や動きに描き込みが少なく、全体的に絵が粗くなった感があり、残念である。 それでもストーリーは抜群に面白く、複雑に入り乱れた人物関係を大団円に向けて無駄なく収束させていく手腕は見事だ。 清涼感のあるハッピーエンドは好感が持てる。

※「あらすじ」は<続きを読む>クリック

10-yagyuuningun-01.jpg  10-yagyuuningun-02.jpg  10-yagyuuningun-03.jpg

10-yagyuuningun-04.jpg  10-yagyuuningun-05.jpg  10-yagyuuningun-06.jpg


 カレンダー
07 | 2018/08 | 09
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
 プロフィール

風かをる

Author:風かをる
その旅は昔々店じまいをした貸本屋さんから譲っていただいた数冊の「長編大ロマン」から始まりました。
小島剛夕作品に魅せられてン十年。果てしない探求の旅が続いています。

 月別アーカイブ
 ブロとも申請フォーム
 QRコード
QRコード
 ブログ内検索